ドイツの旅7

ベートーベン


 今週は出張でBonnに行きました。
 出張自体は学会参加なんですが、大体夜にオプションで街の観光ツアーがあります。
 
 Bonnといえば、数年前までドイツの首都だったこともあり、政府関係の関連施設跡が沢山ありました。また、ベートーベンの生家があることでも有名です。
 
 学会のオプションツアーは、会場そばのドイツの近代史を詳しく展示している歴史博物館でした。第2次大戦から東西ドイツ統一までの社会情勢が詳しく解説されています。とくに政治的、社会的な面の詳細がいろいろ展示されていてなかなか興味深かったです。僕の高校時代の世界史の知識なんて本当に外面だけだったんだなとしみじみ感じてしまいました。
 ベルリンの壁の一部も展示されてます。

 観覧中にちょうど先生と近くになったので、あることを聞いてみました。
 僕でも覚えている「ベルリンの壁崩壊」。1989年のことです。
 先生は僕より7つも上なので、当然ながら当時のことを知っているだろうと思い、せっかくなので当時のことを聞いてみました。
 僕のイメージでは、政治的な面から、物理的に完全に隔離されていたものと思っていたのですが、そうでもなかったようです。西から東へは簡単に行けたそうです。
 、、、でも一方通行です。決して戻って来れません。
 聞く所によると、社会主義の国の晩年は、秘密警察がいつも目を光らせていて、一般の人達はあまり政治的な発言などできず、従順に従うしかなかったようです。

 あー、おそろしい。


 そういえば、研究室に8歳の時にルーマニアからドイツに移住してきた人がいて、やはりそんなイメージを持っていました。というのも、戦前(第2次大戦前)は結構東の方までドイツ人が住んでいた(領土だった)ため、かなりの人達が戦後も現地に残されてしまっていたそうです。実際のその彼もドイツ人です。社会主義崩壊前のルーマニアはすさみきっていて、彼にとって旧東欧諸国にはいいイメージは全くないようです。、、、僕は現在の中欧は結構好きなんですが。
 当時のドイツは、政治的にはもちろん問題あったと思いますが、こういう実際に何らかの被害を被った人達の実情を聞くと、また見る目が変わってしまいます。